REPORT 【イベントレポート】 飲食・小売の今 そしてこれからを徹底的に語らnight!

2019年07月01日
Startup Lab Lagoon イベント 2019年6月15日、Startup Lab Lagoonにて「飲食・小売の今そしてこれからを徹底的に語らnight!」が開催されました。時をかけるFood Tech Companyの株式会社EBILABの代表取締役 小田島氏の来沖に伴い、緊急開催されたこのイベント。 本イベントでは小田島氏に加え、エヴァンジェリストの常盤木氏、株式会社上間フードアンドライフ/上間弁当天ぷら店の上間氏、株式会社Paykeの比嘉氏が登壇し、クロストークセッション形式でざっくばらんに飲食や小売、経営についてディスカッションが行われました。本記事では、「データによる経営」のパートを中心にお送りいたします!  

優秀な経営者の「運」に頼らない経営

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沖縄県内の企業を見渡すと、「データを経営に活かし切れていない」企業が多くあるのだと登壇者の皆さんは語る。

小田島春樹(以下、小田島):今梅雨ですけど、雨の日って来客数減るんですよ。だから僕らは雨の日に10%引きにするってことしてるんですよ。 上間喜壽(以下、上間):ダイナミックプライシングだね。 常盤木龍治(以下、常盤木):このダイナミックプライシングっていうのが外部要因に変動して価格を変動させるやり方です。 小田島:そうなんです。あと僕ら、“明日の来客予測”って言って「明日何人来るか?」っていうものを開発したんですよ。ちなみに今日ね、伊勢地方は大豪雨なんですよ。で、その予想も引っ張ってきて、予測では「163人しか来ないですよ」ってなってるんです。それに合わせて10%引きとかするんですけど、なぜかビックリするくらい来てますね。不思議だなぁ。 常盤木:今日は、AI予想に対して50%も上振れをしていることを示していますね。 小田島:(年間予測データを表示)一応通年で見てみると… 上間:これやばいでしょ。99.9%で合ってるんですよ。 常盤木:間違いなく世界一の精密度ですよ。 小田島:そうですね。で、メニューとかも何が出るかとか見ていて、実際に出たメニューと予測したメニューを見比べることもできます。 上間:今ね、AIって本当にすごいんですよ。「12時にこの定食が何食出ますよ」っていうのをAIが予測してるんですよ。そうすると、従業員はその前菜とか付け合わせの物をもうセットして待ってるんです。で、オーダーが来た瞬間にメインの寿司を詰めて出すんで、160席あるんですけど、満員で入っても7分とか、めちゃくちゃ早く出てくるんですよ。 (会場どよめき) 小田島:予測と実際に出たメニュー、ほぼ一致してるでしょ。これって要は、席の回転率を上げてるんですよ。で、実は席ごとの滞在時間や売り上げがわかるんですよね。 上間:こんなの見たら、心が折れません?! (会場笑)
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常盤木 龍治 氏 – 2014年、沖縄に移住。最先端の技術をわかりやすく伝えるエバンジェリスト(伝道師)として日本全国+ブラジル等を飛び回り講演/プレゼン回数は年に300回を超える。ITプロダクト一筋19年、トップシェア請負人として、沖縄/日本のテクノロジー界を牽引する。EBILABのCTO/CSOを務める他、LiLz、レキサス、株式会社アロバ、パーソルホールディングス/パーソルイノベーション/パーソルプロセス&テクノロジー、PCAとパラレルキャリアエバンジェリスト/軍師として活躍の場はとどまることを知らない。

IT企業では当たり前のことが、多くの企業で当たり前じゃないことも多い

常盤木:あと面白いのが、この中で飲食業・サービス業やられてる方っています?その中で、顧客に対して何かしらのアンケートってやってる人?…そう!沖縄、実はほとんどアンケートやってないんですよ。 小田島:あのー、アンケートって面倒くさいですよね。紙に書いてもらって、誰が集計するんですか?みたいな。今ってQRコードとかあるからQRで読み取れるアンケートを店内に置いといて。 常盤木:そう。それで「アンケート答えた人100円引き」とか「10%引き」とかって言って。 小田島:そうするとですね、これくらい集まるんですよ。5万人の来客に対して7000の回答とかが集まって。 常盤木:(アンケート回答が)10%越えると天文学的な数字ですよ。これね、要は僕らこれで何をやってるかっていうと“人間による経営者の思い込みを徹底的に排除”しようとしてるんですよ。なので“優秀な店長に依存したビジネスモデルから脱却”してるんですよ。
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上間喜壽 氏 – 上間弁当天ぷら店を展開する上間フードアンドライフ代表の上間氏は東京の大学を卒業後父から登川店を引き継ぎ同社を設立。当初2億円の負債を抱えていた同社を右肩上がりに売上を伸ばし、9年後には売上6億円を達成するまでに成長させる。同氏はケータリング事業のCater4U、仕出し弁当の仕出し上間を展開し、最近では県内のファミリーマートで上間弁当天ぷら店の天ぷらが購入できるようになり話題になった。

上間:うちも昔ね、親父とこれでめちゃぶつかったんですよ。例えば、「絶対にこのトンカツ弁当は400円以上で売るな!」とか「これやめたらお客さん来ないぞ!」とか。そういう“肌感”っていう、職人肌的なやつがみんなあるんですよ。でもこうやってデータで見たときに、「あれ、これ意外と全然売れてないじゃん」とか、バイトの子が「これ全然売れてないですよ」て、言う商品もデータ見たら売れてるんですよ。要はその人がいない時間帯に売れてるんですよ、結局。だからデータできちんと確定事実を確認するってことが大事なんですよ。 常盤木:分かります。あと最近、那覇空港新しくなって、安く買える革の鞄屋できて、僕好きなんですよ。ただ、見てると12秒くらいで店員が声かけてくるんですよ。もうね、購買意欲ゼロになりますよね。自分で一旦考えてから店員さん呼ぶって関係がいいのに、ほとんどのサービスがそんな感じですよね。Paykeなんかその辺でトリガーの役割ですもんね?
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比嘉 良寛 氏 – 1990年生まれ、沖縄県糸満市出身。琉球大学法文学部経済専攻卒業。琉球大学在学時には「沖縄学生ビジネスコンテスト」優勝。同大学卒業後、沖縄銀行入行。沖縄銀行では主に融資業務に従事。その後2014年11月に県内発のスタートアップ企業, Paykeを共同創業者として立ち上げ。金融経験を生かしPaykeでは財務担当。昨年9月にはPaykeは総額10億円の資金調達を実施した。

比嘉良寛(以下、比嘉):そうそう。店員さんが出てこなくてもその商品のこと知ってもらって、最終的な価値は店員さんが届けてくれて。 常盤木:(データを指差して)これなんか生々しいですよ。僕ら実はGoogleレビューの結果とか、食べログのデータとか、全部データ取ってるんですよ。で、これがSlackていうチャットアプリに自動的に飛んでくるようにして、僕らがいない中でも現場のスタッフが経営改善し続けるんですよ。だから、食べログのスコアが上がり続けるんですよね。 小田島:アンケートって取って終わりじゃなくて、その結果から経営を変えていったり、ていうだけでものすごく変わるんですよね。実はアンケート取ってそれを直していくだけでものすごく良くなっていくんですよね。  

大事なことは販促・集客以上に、施策の仮説検証である

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小田島 春樹 氏 – 三重県、伊勢神宮のおひざ元で妻の実家が営む老舗料理店「ゑびや大食堂」を5年で売上5倍利益10倍を達成し。飲食産業全般の課題である「勘」ではなく「データ」に基づく経営を実現した伊勢の老舗飲食店での成功体験を活かし、Food Tech CompanyのEBILABを立ち上げる。先日、9000社以上から選出されるグレートカンパニーアワード2019「ユニークビジネスモデル賞」を受賞。

小田島:ちなみに10%割って雨の日だけじゃなくてこんな感じで学割とかもあるんですよ。ある時、すごい街を歩いている学生を見たんですけど、自分たちの店舗に入った学生が、この時4.5%しかいなかったんですよ。街にはこんなにいるのに。それで、急遽学割(チラシ)作って貼ったんですよ。そしたら、次の日学生が5倍以上来たんですよね。これくらい店舗って本当に些細なアクションでガラッと変わるんですよ。 常盤木:これ、今回の話の要約のポイントで、この「施策が何をしたときに来客数が減ったか、増えたか」というのを全部データ取れるようにしてるんですよ。もし皆さんも本当に商売したいのなら、自分の会社が例えば看板を変えた。そしたらそれを3日間とか10日間とか続けてください。そうでなかったときと比較してどうかなったのかを全てデータとして取ってください。これが実はほとんどの方できてないんですよ。施策を変えたときに良かったのか悪かったのかを定量的にデータを取るだけで誰でも潰れない店舗を作れると思ってます。 顧客ピラミッド 上間:僕は意外とこれは当たり前だと思っていたんですけど、マーケティング学んでいて…皆さんこの顧客ピラミッドってわかります?多くのお店はこのロイヤル層に対して全然手をかけないんですよ。むしろ新規顧客だけにクーポンとかを配っていて、しょっちゅう来ている人には丁重に「ありがとうございます」すら言わない、とか。そういうケースって意外とあるんですよね。だから、いかにこのロイヤル客を厚くしていくかということ。そして階層ごとにどうやってレベルアップさせていくかということがマーケティングの重要な趣旨なんですけど、この顧客の情報がないというところが一番の問題なんですよ。 常盤木:ちなみに、沖縄では買ってくれたお客様にすら分析していないのが現状だと思ってください。内地の中間クラスのお店は当たり前に販売データを取っています。今後、沖縄が勝っていくには製造業の島ではなくサービス業依存の島としてなんですよ。つまりはサービス業の人が儲ける人がないことは沖縄の生活が変わらないことを意味します。  

最後に…タピオカはキャズムをすでに超えている!?

上間:ちなみに、タピオカは完全に離反顧客を狙ってますよ! 常盤木:皆さんタピオカは本当にやばいですよ460kalありますからね!気をつけましょう(笑) 上間:あれ天一のあっさり味よりカロリー高いですからね(笑) (会場どよめき) 上間:タピオカはキャズムを超えましたからね。と言うのもおじさんたちがタピオカを飲み始めたからね(笑) 常盤木:間違いないなー! 小田島:でも、結局それも特定のお店じゃないですかー。だからね、どこでもタピオカやればうまくいくと思うのは、俺はちょっとねー! (会場笑)   11 ◆ Startup Lab Lagoon 2019年5月にスタートアップカフェコザがリニューアルオープン。県内の起業家やフリーランサーを中心に、多様なニーズに答える場として提供されている。イベント開催やプログラミング教室も行われており、イノベーションを生み出す環境として使用することもおすすめ。 【住所】〒904-0004 沖縄県沖縄市中央1丁目7-8(一番街商店街内) 【営業時間】13:00~21:00 【休館日】毎週水曜日 【公式サイト】https://lagoon-koza.org/  

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