INTERVIEW 【特別対談】サイバーエージェント曽山哲人氏も納得!目からウロコの新発想「職場の基礎代謝」

2018年07月25日
ご好評をいただいおります 「沖縄県人材育成認証企業シンポジウム(県内企業雇用環境改善支援事業)」 の3回連続リポート。 最後の第3弾では、基調講演を担われた曽山 哲人氏(株式会社サイバーエージェント 取締役人事統括)と当事業事務局の白井 旬氏(特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会 代表理事)の両名による人材育成・組織開発に関する対談をお届けいたします。 %e5%af%be%e8%ab%871 第一弾:沖縄県人材育成企業シンポジウムが開催されました!人を育てて働きやすい職場作りのアイディアが満載のイベントレポート、お届けします。 第二弾:サイバーエージェント曽山氏が語る「強みを活かす人材マネジメント」とは? -聞き手 今回の対談では、曽山さん執筆の【強みを活かす~活躍する人のセオリー(PHP新書)】、白井さん執筆の【生産性を高める職場の基礎代謝~社員の「不」を解消し、能力を引き出すヒント(合同フォレスト)】のご紹介を中心に「成長が止まらない組織のつくり方」という視点も加味して、お話をお伺いできればと思います。 はじめに、曽山さんが、白井さんの書籍「生産性を高める職場の基礎代謝」をお読みになって、印象に残った箇所を教えていただけますか。 -曽山氏 それはもう・・・「不の解消」につきます! 最初は「不」という言葉にあまりなじみがなく読み進めたものの、徐々に「確かにそうだな!」強く思いと「不」という言葉がしっくりきました。私自身も人事担当として、よく使う言葉で「障害の排除」というのがあります。具体的には、社員が何かしらの「障害」を抱えていないか?を考えます。もし、その障害が分かって、取り除くことができれば、業績があがると考えます。社員からすると、障害を取り除かれたら「やるしかない!」となるわけです。よい意味で、「頑張れる環境」を整えていくというイメージです。 ですから、社員とランチにいくと「何か困っていることない?」と聞くのが私の口癖になっています。その点からも「不を解消する」ということは、とても重要であると考えています。 しかし、白井さんから、最初に本の話を聞いたとき、「不だけで、本まで書けるの?」と正直なところ思いました。 それを覆したのが、p49の「不の関連性と連動性」の図です!「不」の種類や関係を体系的に「枠組み」として捉えられているのが素晴らしい。なんとなく分かっているけど、うまく表現できていなかったものを、「見える化」している。これは、絶対に参考にしたほうがいいです! 職場の基礎代謝 -白井氏 ありがとうございます。その図を仕上げるのに、2ケ月かかりました! -曽山氏 渾身の作ですね! -利き手 曽山さんが実践されてきたことが、その図で体系化(見える化)されているということでしょうか? -曽山氏 そうですね。私が、ひとくくりで「障害」と表現していたものが、「不」という視点で細分化することで、こんなにもたくさんあるというのは衝撃的でした。 それから、第3章にあるアンガーマネジメントの「問題となる4つの怒り」ですね。 ビジネスにおいて、ある程度「怒り」が必要であることは理解していましたが、その逆の問題となる「怒り」が十分に理解できていませんでした。それを、「強度・持続性・頻度・攻撃性」と明確に定義づけされているのは興味深いと思いました。 -白井氏 なるほど。ありがとうございます。 -曽山氏 さらに、p92の「職場の人間関係づくりトレーニング」というゲームはとても面白そうだと思いました。 あとは、p114にある「オフサイトミーティング」です。これは、サイバーエージェントでいうところの「役員合宿」にあたりますが、私たちは2003年から行なっています。 普段と違う場所で実施すると、不思議なことに、普段と違う関係になるんですよね。座る場所も違うし、服装も私服になると、仕事だけでは生まれない親近感や共通項が増えます。そういった意味でも、「オフサイトミーティングはいいな」と改めて感じました。 -白井氏 ぜひぜひ!「マネージャ―ゲーム」オススメです!(笑) -聞き手 では、白井さんにお伺いします。曽山さんの書籍【強みを活かす】を読んで、印象に残った箇所を教えていただけますか。 -白井氏 大きくは2つで、それは、「しらけのイメトレ」と「刺さる言葉の開発」です。 まず、前提として、曽山さんが講演で、よくお話されることとして「人事制度は流行らないと、意味が無い」というのがあって、この2つの「しらけのイメトレ」と「刺さる言葉の開発」は、その象徴的な個所だと感じています。 認証制度のヒアリングでも、「仕組みはつくったが、仕掛けが上手くいっていない」という企業が多いことに気づかされます。著書p206にあるように、新たな人事制度や人材施策を導入する際、「しらける人が出ないか?」「しらけた人にどう対処するか?」を徹底的にイメージトレーニングする。 とても大切だと思いますし、私の本の「不を解消する」に繋がるキーポイントでもありました。 -曽山氏 なるほど。嬉しいです。 -白井氏 あとは、p112からの「刺さる言葉を開発する」はとても参考になりました。 サイバーエージェントで開発された言葉「決断経験」「マカロンパッケージ」などからヒントを得て、「職場の基礎代謝」が生まれています。期間でいうと半年くらいは、言葉の開発をしていたと思います。 %e5%af%be%e8%ab%872 -聞き手 白井さんの本の中で、「職場の基礎代謝」や「不の解消」といった独自の表現をなさっていると感じます。 この本を初めて読む方に向けて、どのような概念なのかを詳しくお話いただけますか? -白井氏 まず、僕自身の体重が増えすぎたころから「最近、身体の調子が良くないなー」とか、「いつもと違って、頭が働かないなー」といった状況が続くようになっていました。 「自分では出来ると思っていることが、いつものように出来ない」というのは、どこに理由があるのだろう?と悩んでいました。 そんな時に、ある本の「基礎代謝が下がるとパフォーマンスが下がる」という一文と出会いました。そこに、曽山さんの著書にある「実力を発揮する」というフレーズが思い出されまして、「能力があっても、基礎代謝が下がると実力が発揮できない」というところまで、一気に繋がりました。 今、思うと、逆に体重が増えてよかったなって。(会場笑) -曽山氏 そのくだりが本の最初に書かれていて、そこから一気に親近感が湧きました。 -聞き手 曽山さんにお伺いしますが、「不」が蔓延しないために、組織をマネジメントする立場の方が意識することって何でしょうか。 -曽山氏 やはり、タイムリーな「面談」だと思います。曖昧に言えばコミュニケーションだけど、やはり「面談」というのがしっくりきます。 一対一(マンツーマン)をベースしながら、あとはチームミーティングなどで、声を拾う。 その時のポイントとしては、やっぱり「聞く」なんですよね。困っていることを聞く。だから、その関係性があると、後はそれをシンプルに困っていることを取り除いていけばいいと思います。 -聞き手 なるほど。 面談における私の経験ですが、すごくしっくり話せる方と、しっくり話せない方がいると感じることがあります。しっくり話せない方っていうのは、どういう形で「声」を聞いていけば良いでしょうか。 -曽山氏 これはもう非常にシンプルです。しっくりこない人というのは、自分が興味ないということなんです。 相手としっくり来ていないのは、相手のせいではありません。自分が相手に対して、興味持っていないということです。それが良い、悪いじゃなくて、本能的に、絶対あるんですよね。 ですので、まず一歩目は、「意図的に興味を持つ」ことからがスタートになります。普段から、仲が良いスタッフのことは、よく知っているんですよ。「野球は〇〇チームが好き」とか「カレーにこだわりがある」といった情報です。 しっくりこない人は、いつも喋らないから、こういった情報がない。『強みを活かす』でも触れたのですが、「意図的」に興味を持つ。まずそれからです。相手のことを知ると、話が広がって、さらに会話が膨らんでいきます。「一歩目は自分から」という姿勢は大事ですね。 -白井氏 そうですね!おっしゃるとおりだと思います。 実際に、沖縄県内の複数の企業で、「1日2回以上喋ったら◎、1回喋ったら○、喋らなかったら△」と部下との会話の回数を「見える化」する取り組みをしたことがあります。 -曽山氏 すごいドキッとしました! -白井氏 それを実施すると、「よく話す部下は◎、あまり話さない部下は△ばっかり」という事実が浮き彫りになります。 「見える化」することによって、社長ご自身の意識が変わり、役職者のみなさまが、少しずつ行動に移せるようになりました。 まずは、「シャーペン貸して」といった、何気ない会話を始めることからと。 -曽山氏 なるほど、何気ない会話でもいいから喋る!というが大事なんですね。 -白井氏 そうなんです!それこそ、1週間くらいで「職場の雰囲気が変わった」という会社もありました。 -聞き手 このような、「不」を解消するような取り組みは組織によって色々ありますよね。サイバーエージェントでは「マカロンパッケージ」「キャチャレ」「あした会議」等とてもユニークな制度が多くありますが、これらは、いかにして生まれてくるのでしょうか。 f4d3a61d1bf352f8fac76b51a162baec_16a2d63c4794143d1e6ccec409139a67 -曽山氏 経営課題として「経営陣が意思決定」してから始まるというのが最も多いですね。 例えば、あるひとりの社員から「社内で異動ができない」という声があり、まずこれを経営陣にあげます。 そして、これが「離職に繋がっている」や「やる気の低減により、パフォーマンスが下がる」と判断されると、これは、業績にとってマイナスという観点で「経営課題」となります。 「経営課題かどうか」というのを意思決定すると、その後は主に2パターンに分かれます。 (パターン1)その場で役員が施策まで議論する。 (パターン2)人事に降りて来てソリューションを考える。 戦略であろうと人事だろうと、課題は常に、たくさんあります。それを「経営課題」として取り組む意思決定をしていない会社が多いと思います。 弊社は、それを経営陣がわかってくれていて、「これは経営課題だね。逆に、これを突破できたら業績上がるね」と意見が出るんです。 「人のため」とか「育てるため」というワードが、弊社では、あまり会話には出てきません。 あくまで、「会社の成長と業績アップ」ありきで、結果として、「社員も一緒に成長したらハッピー」という基調講演でも紹介したANDの理論で考えています。考え方として、常に「業績が先」です。 「キャリチャレ」は、役員がみんな考えたパターン1。 「マカロンパッケージ」は経営課題となって、人事や女性の社員で考えたパターン2 です。 -聞き手 社員の方から「こういった不がある」「こういった改善をしてほしい」という声が上がってくるのを待つよりも、経営陣が色々なスタッフにヒアリングをして、経営課題を絞り込んでいくというのが多いのでしょうか。 -曽山氏 意思決定はそうですが、検討材料は、絶対に社員からです。 「CA8(役員の入れ替え制度)」については、社長の藤田が社員と会食をしている時の会話から生まれました。 やる気のある野心的な若手社員が「上が詰まっている」と飲み会で言っていたから、経営陣での議論のきっかけになって、「役員が定期的に一定数変わろう」となったんです。 %e5%af%be%e8%ab%873 -聞き手 沖縄にも、サイバーエージェントのグループ企業(シーエー・アドバンス)がありますが、沖縄と東京で人材の強みや才能などの相違点、そして、共通点のようなものをお伺いできますか。 -曽山氏 沖縄のシーエー・アドバンスに、東京にいるサイバーエージェントのさまざまな事業部の社員が出張などで行ったりするのですが、「組織を活性化するエネルギーがすごい!」と驚いているんですね。 例えば、社内で「ポスターを作る」とか「キャンペーンやる」とかの施策をシーエー・アドバンスは徹底していますし、しかも、上手く機能しています。なんといっても、「楽しくやろう」というのが基本にあるように感じます。 県民性かわかりませんが、そういうのが好きな人が集まって良い作用が生まれているのか、とにかく、とても盛り上がっていて、グループ全体の中でも評判です。 -白井氏 県民性という観点でいうと、「祭り」や「祝い事」が象徴的だと思います。日本全国の「祭り」や「祝い事」には、メインや演者がいて、多くは見る側というのが大体じゃないですか。 その点、沖縄では、みんなが「参画意識」を持っている感じがします。 -曽山氏 自分も参画する!それは大きいですね。 -白井氏 今から10年前、初めて沖縄の披露宴に出た時ですが・・・ 披露宴の最後のカチャーシーの音楽が流れると、家族や友人や同僚やいろいろな人が、ステージに続々とあがって、みんなで、楽しそうに踊っているのを見てびっくりした記憶があります。 -曽山氏 なるほど。 -白井氏 結婚式・披露宴の余興(友人・知人・同僚によるパフォーマンス)も一生懸命で、練習もかなりやっていて、楽しんでいる雰囲気が伝わってきます。 あと、VTRを作れる人が「会社に必ず1人はいる」という印象で、ムービーメーカーなどの動画ソフトを使えるセミプロ級の人が多いと思います。みんなで「創り上げる、盛り上げる」っていう意識が、沖縄はちょっと高いと感じます。 シーエー・アドバンスさんの認証申請を、ぜひ、お待ちしております。 -聞き手 「成長が止まらない組織を作ってください」というミッションがあったら一番最初に取り掛かることって何でしょうか。 -曽山氏 何もない時からの場合は、まず「目標」だと思います。 他の言い方をすれば、「ビジョン」になりますが、表現は何でもよいと思います。 「当社は、どこを目指す」とか、「こんな会社にしていきたい」でも良いと思います。 全員で考えるのも良いのですが、まずは社長自身とか役員自身が「何をしたい」のかを意思表示(表明)するのも良いと思います。 -聞き手 なるほど。しかし、ビジョンを浸透するのが難しいと感じる会社も多いようです。そういった壁は、どのように乗り越えたら良いでしょうか。 -曽山氏 1つの方法としては、ビジョンを決めるプロセスに最初から巻き込んでしまう。決める前に一緒に考えてもらうということは、いわば共犯を増やすということにもなります。 今、サイバーエージェントでは、半年ごとにチーム単位での目標を決める取組みをしています。半年の目標をチーム単位で考えて決めるということは、自分もそこで共犯関係で目標を決めることになるので、当事者意識が当然上がるというのがあります。 -白井氏 確かに!そうですね。県内企業でもビジョンの仕立て直しをやっています。創立50周年とか、二代目社長になった等の節目の時の依頼が多いです。創業期に掲げられたビジョンで、朝礼でも唱和しているけど、その意味するところが伝わっておらず、形骸しているケースも少なくありません。 言葉が同じでも、消費者や時代も変わってきているので、それに合わせて仕立て直し(=意味づけを変えるなど)をする必要があります。イメージとしては、着物をリメークして、ジーンズとあわせるとか、鞄にするとか。 そのビジョンの仕立て直しの際に、社長の考えを社員(プロジェクトメンバー)に投げて、社員(プロジェクトメンバー)からまた社長に投げてというキャッチボールを繰り返すことで、出来上がったころには、主要メンバーには浸透している。 まさに、共犯=参画メンバーを増やしていくということになります。 -曽山氏 それと、目標ではなく、手段を明示しているビジョンは意外に多いなと感じます。 手段ではなく、どこに到達するのか向かっているゴールを明示していることが大切だと思います。 -白井氏 北極星ですね。 -曽山氏 そうそう、まさに北極星ですよね。到達点を描く、明示する。というのは、とても大事です。 メンバーにも、よく伝えているのですが、リーダーって、「Lead+er」と書きますよね。どこにリードするのかを示すこと。どこに行くのかという意思が必要です。 -白井氏 A―東京発の沖縄行きの船、B―東京発の北海道行きの船とでは、そもそも、間違って乗っちゃいけないとかありますしね。 (会場笑) -曽山氏 行き先が決まってきちんと示されていれば、それに「乗るか乗らないか」をメンバーも決められます。 -聞き手 なるほど。ありがとうございます。では最後になるのですが、お互いの著書をこれから手に取る方に向けてお伝えしたいこと、そして、こんな人に読んで欲しいということをお願いいたします。 %e5%af%be%e8%ab%874 -白井氏 曽山さんの本は、すでに、手に取っている人がいっぱいいるから(笑) -曽山氏 いえいえ、全然ですよ、全然!(笑) -白井氏 曽山さんの本である「強みを活かす」は、性善説っぽいところが好きです。スタッフはみんな「活躍したい」と思っている。という基本スタンスが素晴らしいと思います。 サイバーエージェントは、今や押しも押されもせぬ大企業となっていらっしゃいますが、数人のベンチャー企業から8,000人規模に一気に成長しています。その中にあって、曽山さんご自身が、従業員数20人から8,000人を超える会社で、人事として試行錯誤されたことが詰まっている内容はとても参考になります。 経営者や人事担当の方はもちろんですが、特に、現場の係長~課長クラスでも、日常業務で参考にして、すぐに活用できるようことが、具体的に書いてあるんです。 あと、視点を変えれば、個人のキャリアにも活かせることが多く書かれています。そういった意味では、仕事に行き詰っている。少し悩みが出てきたという人にとってもヒントになる本です。 -曽山氏 白井さんの本「職場の基礎代謝」は、マネージャ―以上、経営者まで全部読んで欲しいですね。 例えメンバーが2人だったとしても、そのマネージャ―も読んだ方がいいです。感覚としては、メンバーが理解できない、と感じている人は絶対に読んで欲しいです。 -聞き手 僕も絶対読まないといけない。(笑) -曽山氏 口に出なくてもメンバーに対して何かしら思っていることがあるなら、この本を読むと、その理由がたくさん書いてあります。 その感情も「不」ですよね。でもなぜそう感じてしまうのか、解決の糸口が見つからない方は、この本を読むのがオススメです。ぜひ、読んでいただきたいです。 -白井氏 おかげさまで、「職場の基礎代謝」研修が終わった後、「気持ちが楽になりましたか」という感想が多くあります。 -曽山氏 そうでしょうね!表情がパッと明るくなる。「あ、そういうことだったんだ」と感じると思います。言語化できてないだけなんですよね、自分自身の感情を。 -聞き手 今日は、曽山さん!白井さん!とても貴重なお話をありがとうございました! %e5%af%be%e8%ab%875 <対談終了後の控室での雑談> 控室での、こもれ話を付録としてお届けします。 -聞き手 当社も、さまざまな人事制度を作っては、結局、流行らなくて形骸化している感じなのですが、流行らせるポイントとか、仕掛け方のポイントとかってありますか? -曽山氏 流行らせるポイントは「しらけのイメトレ」につきます。「しらけ」を最初に、徹底的に潰していく。もう、しつこく「しらけのイメトレ」をしています。まれに、それ以上のしらけが出てくる時もあるのですが、そういう時は、仕方がないですね。 -聞き手 出し尽くして、出し尽くして、それでオッケーだったらスタートする感じですか。 -曽山氏 そうですね。おおよそ、イメトレ以上のことはあまり起こりません。最近は、経験値が上がってきたこともあり、打率がどんどん上がっている感じがします。 -聞き手 「しらけ」のキーワードが出てきた際に、そこを潰していくアイデアというか方法は、どのように考えていらっしゃるんですか。 -曽山氏 その「しらけ」を消すか消さないかを決めます。もし、消すとなったら、その「しらけ」を持つ人たちに集まってもらって勉強会するとか、個別に対応するとか、何でもやります。 そこには、特別な仕掛けはないです。「迷ったら一対一」というのが僕の選択肢です。100人いたら、一対一を100回する。みんな一対一っていう選択肢をあまり取らないとは思います。 -白井氏 「時間がない」とか「怖い」とかあって、あまり一対一は、やらないですよね。 -曽山氏 そう、腰が引けてしまいますよね。でも、本当にいいと思っていたら、面と向かってやった方が良いと思いますよ。 -聞き手 そこを徹底しているかたこそ、組織に落とした時に施策が流行ると。 -曽山氏 打率は比較的高いと思います。 ちなみに、「しらけのイメトレ」は、人事施策が何度も何度も空振りして「なんでなんだろう」と感じたことがあって、そこから苦肉の策で、先に「イメトレしよう」となっただけなんですね。 実は、後付けです(笑) -聞き手 そこをデザインが出来ているところがすごいと感じます。 -曽山氏 「人事はマーケティング」というのも振り返って気が付いたことですね。 -白井氏 僕も今回の本を書くときに、「しらけのイメトレ」を徹底しました。 「基礎代謝」という言葉は、医療のイメージがあるので、まずはお医者さんに確認しようと思いました。 たまたま、複数の医療法人で研修の機会に恵まれたので、その時に「職場の基礎代謝」の使い方で違和感がないか?などを確認していきました。 東京・大阪・名古屋・沖縄などで、100名を超える医療関係者にお話を聞くと、逆に「これは分かりやすい」とか「頑張って」といったコメントもらうことができました。 -曽山氏 素晴らしい。徹底していますね。 -白井氏 ありがとうございます。 -聞き手 白井さんは、この構想を思いついてどのくらいで本になったんですか? -白井氏 実は、5年前ぐらいから、なんとなく、感覚では掴みかけてはいたのですが、言葉が見つからなかった。 上手くいっている企業と、そうでない企業の何が違うのか?組織文化でもなく、企業風土でもなく、コミュニケーションでもない。 沖縄をはじめとする地域の企業には、「スタッフ同士の中が良いけど、業績が芳しくない」や「世間話は盛り上がるけど、会議では発言が少ない」といったところが多いと感じていました。 そこで、ダイエット本にあった「基礎代謝」との出会いから、「アンガーマネジメント」や「しらけのイメトレ」や営業の基本となる「不の解消」を、こじつけでミックスしたら生まれたという感じです。 そもそも、出世して役職や管理職につく方というのは、顧客の「不の解消」が上手なわけですから、その能力を社内でも発揮してもらえばいいのでは?とも、つまり、新しいことをしなくても良いとも。 -聞き手 誰でもわかる例えというか、比喩なので、素晴らしい概念だと感じます。 -白井氏 意外なところでは、家族経営でご夫婦でセミナーに来られている方の場合ですと、途中から、家庭や夫婦間の「不の解消」で話が盛り上がっている場合もあります。 -曽山氏 家庭でも大事ですよね。 -白井氏 最近では、「職場の基礎代謝」認定ファシリテーターを作った方がいいともアドバイスもいただきました。 -曽山氏 いいですね! -白井氏 社労士の方にお話を聞くと、特に「不の解消」の案件が多くて、事が大きくなってから依頼が来たりするそうで、どちらかというとディフェンシブな感じ。 社労士のみなさまの中には、「ポジティブな仕事をもっともっと提案したい」という方も多くいらっしゃり、「職場の基礎代謝」を導入することで、未病の段階でフォローアップできるのではないか?という提案があったんです。 あとは、様々な資格をお持ちの研修講師のみなさまにも、「職場の基礎代謝」認定ファシリテーターがフィットするのではないかと思っています。私自身もそうだったのですが、自分の持っている資格や技能だけで、全てを解決しようとすると上手くいかないケースがあります。 だから、自分は不明瞭を解決できるけど、不自然は解決できない。となったら、不自然を解決できる人を探してきて、お互いにコラボして顧客をサポートするとかが出来ると思っています。 実は、ご要望が多いので、9月か10月あたりから、「職場の基礎代謝」認定ファシリテーター養成講座をスタートしようかと思っています。 -曽山氏 面白いですね。 -白井氏 もしよければ曽山さんもゲストで来てください。 -曽山氏 分かりました!伺います。 ―――― 以上「人材育成認証企業シンポジウム」のリポート最終回でした。 すぐに取り組めて勉強になるコンテンツ満載でしたね。JOB ANTENNA PICKSではこれからも勉強会やセミナーなど、みなさまに役立つ情報を掲載していきます。 対談:聞き手 翁長 駿次/琉球インタラクティブ JOB ANTENNA事業部マネージャー 控室:聞き手 金城 一平/琉球インタラクティブ取締役CMO 白井氏の著書について 『生産性を高める職場の基礎代謝〜社員の「不」を解消し、能力を引き出すヒント』 曽山氏の著書について 曽山 哲人氏の著書

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