CATALYST 沖縄だけ、日本だけを拠点に考えるのではなく、 海外にも目を向けている|エアーエキスプレス株式会社 代表取締役社長 沖山 真樹

2017年02月18日

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旅客ハンドリングだけに特化した新業態

旅客ハンドリング業務を専門に請け負う、エアーエキスプレス株式会社。空港ハンドリング業務、と聞いてそれが何か明確に説明できる人は少ないだろう。空港ハンドリングとは、航空輸送における地上作業のサービス全般のことをいう。燃料供給や機体を誘導するなどの業務も含まれるのだが、旅客ハンドリング――航空券の予約・販売業務および運航に関する案内、搭乗手続きや手荷物の預かりと引渡し、航空機への搭乗、到着の案内などを専門としているのがエアーエキスプレスの特徴だ。 通常、我々が航空会社を利用する際にお世話になっている分野なので、具体的なイメージも湧きやすいのではないだろうか。会社としての歴史は意外に長く、今年で39年目を迎える。今回は代表取締役社長に就任して4年目の沖山真樹氏に今後の展開などについて、お話を伺った。 「空港のハンドリング業務といっても幅は広くて、お客様のハンドリングだけに特化している我々は新業態ともいえます。那覇空港において、国際線はアシアナ航空と香港航空、国内線はジェットスター・ジャパンを利用されるお客様を、我々がお世話させていただいています。当初は国外の航空会社の、沖縄地区における販売の代理店業務が主でした。ハンドリング業務に携わりはじめたのは1992年からで、当時アシアナ航空がソウル―那覇間を就航するということで、我々も関わることになりました。私が代表になってからまだ4年目なので、当時のことは直接知らないのですが、初めての業務で大変苦労したということは聞いております。特に、当時は週に2便程度しかなく、今のような毎日飛行機が飛んでいた時代ではなかったので、その分人のやりくりなんかも大変だったと聞いていますね」 1992年といえば、元号が昭和から平成に変わってまだ間もない頃である。飛行機に乗って海外へ行くことは今ほどお気軽ではなかった。四半世紀が経過し、航空機での旅がここまで身近なものになろうとは、誰も想像もしていなかったのではないだろうか。特に沖縄を訪れる観光客数は年々増加の一途を辿っている。そう考えるとハンドリング業務に着手し始めたエアーエキスプレスは、先見の明があったと言えるのではないか。  

第三国観光の展開

今後10年は伸びていくだろうと言われている海外からの観光客数。ここに活路を見出す経営者も多いが、沖山氏はどういう捉え方をしているのだろう。 「我々はもともと沖縄から海外へお客様を送りだす業務をしていました。今は海外からお客様がたくさん来ていただける状況になっていますが、今後は第三国観光に力を入れていきたいと考えているんです。馴染みのない言葉だと思いますが、沖縄だけ、日本だけを拠点に考えるのではなく、第三国つまり海外からまた別の海外へお客様を案内する機会を増やしたいんです。たとえば、親会社である沖縄ツーリストの海外拠点が、台湾を含めて5つあります。たとえば、そこで中国のお客様を受け入れて、日本でなく、別の国にお連れする。現在、ニュージーランドにもレンタカー事業の拠点づくりを進めているのですが、そこに中国語を話せるスタッフを置いて中華圏のお客様を受け入れるビジネスを計画してます。旅行って出発地と到着地の組み合わせで無限に広がっていくんです。日本人だから、日本の会社だからって、そこにとらわれているようでは限界が見えてしまいますからね」 リウボウホールディングス糸数氏の記事でも取り上げたが、沖縄にはアジアからの観光客は多いが、欧米からの観光客は伸び悩んでいるのが実情だ。欧米からの観光客をターゲットにしていくことに関しては、どのような考え方を持っているのか聞いてみた。 「旅行業にもやっぱり流通みたいなものがあって、直行便が飛んでいるかどうかがポイントですね。旅行業務っていうのは、供給が先か需要が先かみたいな命題があるんですけど、まず供給がなければお客様は来られませんから。やはり欧米諸国からのお客様を大量に沖縄に入れるというのは、立地的に難しいところがあると思います。アジアからはダイレクトに沖縄に来られます。本土にも行ったけど、次は沖縄に行きたい、という感じで今後もその数は増えていくと思います。ところが欧米の方たちというのは、沖縄が目的なのではなくて、日本という国が目的地としてあって、その中に沖縄があるわけですから、飛躍的な増加は見込めないのではないかと……だからこそ、沖縄を目的地にするだけではなく海外展開が必要になると思うんです」

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提携会社の 看板を背負う

沖山氏と話をしていて思い出したことがあった。ごく最近飛行機に乗る際のこと、予約した航空会社は某LCCだったのだが、チェックインカウンターにいたスタッフは全く別の航空会社の制服を着ていた。その辺のことについて疑問をぶつけてみると、 「それはハンドリング業界ではよくあることです。でも確かに、利用者側からすると〝あれ?〟っていう感じですよね。うちも2011年にJALと提携をして、当初はうちのスタッフがJALに派遣されるという形だったのでJALの制服を着て、様々な航空会社の業務を行っていました。でも去年の4月に、JAL経由ではありますが、新しく香港航空だけのチームを作ることになり、香港航空の制服を着て業務にあたることになったんです。香港航空は意欲的な航空会社で、沖縄便をもっと増やしたいという要望がありました。そうなると、よその航空会社の制服を着て業務に就くのではなく、自社の制服を着てほしい、という先方側の意向もありまして。もともと関わりのあるアシアナ航空とは、最初から制服を着させてもらっていますが、やはり制服を着るのはその会社の看板を背負うようなものですから、気が引き締まるみたいで、仕事に対する責任感も変わってきますね」  

人の上に立つ者の資質とは、 やさしさ

沖山氏の言葉はやわらかくて、話し方もとても穏やかだ。経営者として、人の上に立つ者として、どんなことを心がけているのだろう。 「やさしさにもいろいろあると思うんですが、やっぱり強いリーダーはやさしいんですよね。どんなに優秀な上司やリーダーがいたとしても、結局その人が指示を出すだけではそのチームや組織はその範囲でしか成長ができないですよね。指示を出さずに見守るのもやさしさですし、組織の状況に気を配って、部下が思っていることに耳を傾けられる。そこに問題があった場合に改善策を講じたりできるのもやさしさですよね。そしてやさしくなるためには、経験を積んで強くならなきゃいけない。自分に自信がない人ほど、攻撃的だったりしますが、それは自己防衛ですよね。弱いから。強い人ってやっぱり余裕があるので、受け止められると思うんです。強さがやさしさになるのだと思うので、私もそうありたいと思ってます。自分に甘いんですけど(笑)」 そんなやさしい沖山氏だが、企業のトップに上り詰めるまでどのような経験をしてきたのか気になって、ご自身の過去についても伺った。 「私は1993年に沖縄ツーリストに入社したのですが、初めの3年間は悩む暇もないほど忙しかったですね。北は宜野湾から南は糸満まで、原付で担当する会社に航空券を配達したり、集金したりっていう毎日でした。添乗に出ている先輩のフォロー業務なんかもあったので、本当に悩んだりする暇がなかったんです。とにかく今日はこれだけ配達しなきゃ! っていう感じで(笑)。でもデスクワークが向かない性格であることは自覚していたので、良かったのかもしれないです。このままでいいのかな、みたいな思いも当然ありましたけど、〝とりあえず3年やってみよう〟って思ってました。そうこうしているうちに、得意先の人に信頼してもらえるようになって、添乗の仕事も増えていきました。もともと添乗員になりたくて入ったので、そこから先はやりがいも出て来ましたし。当時の営業マンってなんでもやったんですよ。お客様から相談を受けて旅行の計画を立てて、コンテンツ練って、提案して、一緒に行く、そのすべてをひとりでこなすんです」 なるほど、これは確かに激務である。好きでなければできない仕事かもしれない。その代わり、無事成し遂げたときの達成感は大きいだろう。とはいえ、初めての渡航先なんかで不安に襲われたりはしなかったのだろうか。 「ありますよ、もちろん。でも添乗員をやってると、はったりがうまくなるんです。はったりっていうと聞こえが悪いんですが、お客様から見たら添乗員なので経験なんてなくても、『大丈夫ですよ!』を装わなくちゃいけない。『任せてください』なんて言ってると、なんとなく自分もそういう気分になるんですよね。内心はドキドキしてるんですけど(笑)。でも、それで成長させられるところがあると思うんですよね。特に社会人は」 これは心理学的にもよく言われることだが、人間とは自分自身の言動に感情が騙されてしまうものらしいから、説得力がある。

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今の若者へのメッセージ 求める人材、3つの条件

本誌の読者の多くは転職を考えている若者だと思う。そこで読者へのメッセージと、求める人材についても尋ねてみた。 「サービス業なので、礼儀正しさは必要だと思います。凡事徹底……当たり前のこと、挨拶だとか時間を守るとか、そういうことがきちんとできる、それが礼儀正しさにつながると思いますね。あとは協調性。だいたい15名ぐらいで一チームを組むのですが、チームに共通する目標が、〝飛行機を遅れることなく安全に飛ばす〟ということなんですよね。そのためには協力が不可欠なんですが、協調性っていうのは単に仲良くやればいいということではなくて、お互いに言いたいことは言い合うべきなんです。目標は明確なので。そしてもうひとつは、きちんと自分で考えて動けるっていうことですね。チームで動いてはいますが、それぞれの持ち場があって、担当者が責任を持って業務を遂行しなければいけません。持ち場を離れて、誰かに相談したりっていう時間がなかったり、お客様からすぐ対応を求められることもあるので、その場できちんと考えて、良かれと思う行動を自律的に取れる人でなければなりません。読者へのメッセージは、いろんな経験をしてほしいですね。何事にもチャレンジして、あらゆることに好奇心や興味を持って、首を突っ込んで欲しい。特に自分の周りで起こっていることに興味をもって取り組んでもらいたいです。経験はなによりも力になります。経験が増えて、自分が活躍できる場が大きくなれば、それが成長につながります。会社なんて縁があれば戻ってこられますから、いつでもチャンスがあれば違うことに挑戦していいと思いますよ!」 沖山氏曰く、他の航空会社やハンドリング会社と提携することで、沖縄だけではなく別の空港のハンドリングを行ったり、海外でのハンドリング業務を行ったりということも将来的に視野に入れているらしい。那覇空港も今後国内線と国際線のターミナルがつながって、2020年の3月の第二滑走路完成後は発着数が1.4倍になると言われている。空港のハンドリング業務を扱っているエアーエキスプレスは今後ますます発展していくことだろう。

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